エミリア編

 

冤罪

エミリア
「意外とまともね。」

「私の趣味じゃ無いな。」

「何も無いよりましかな。」

 

エミリア
(どうやって仲直りしようかな‥‥)

(昨日の事は許してあげるわ
  これじゃヤな女ね。)

(私が悪かったわ‥‥
  私、別に悪くないし‥‥)」

(やっぱり昨日の事は忘れたふりしてウエディングドレスを見せてはしゃいじゃおっと)

 

エミリア
「(まるで学食だわ)」

アニー
「隣、いい?」

アニー
「あんた新顔ね。あたしはアニー。ここは3、4、5‥‥6回目かな。
今回は男を3人叩きのめしてやっただけなんだけどね。
そいつらがやばい連中でさ、ここに入っちゃった方が安全だから
取り調べ中にパトロールの奴をぶん殴ってさ。
あんだ、良く見ると美人だね。何やったの?」

 

エミリア
「レン、わたしよ。鍵もかけないで、不用心でしょう。」

「まさか、泥棒‥‥ レン、いないの?」

「レン!!」

 

エミリア
「‥‥仮面を付けていました。トランプのジョーカーみたいな‥‥
あいつが、彼を‥‥どうして、何度も同じことを聞くんですか!
早くあいつを捕まえて‥‥」

ヒューズ
「お嬢さん、あなた前の日に被害者とケンカをしていたそうですね。
近所の人の証言もあります。」

エミリア
「何が言いたいんですか?まさか、私を疑ってるの?」

ヒューズ
「被害者は優秀なパトロール隊員だった。
自分の銃も抜かずに殺られるなんてことはありえない。
よほど油断していないかぎり。」

エミリア
「バカなこと言わないでよ。そりゃ、ケンカはしたわ。
でも、どうして私がレンを殺さなきゃいけないの。結婚するつもりだったのよ。」

ヒューズ
「どうして?こっちが聞きたいぜ。奴は学校の後輩で、0年来の付き合いだ。
俺と違って真面目な奴だ。
それが、最近ちゃらちゃらした女と付き合ってるみたいだから、心配してたんだ。
なぜ撃った! かっとなって撃ったか。それとも誰かに頼まれたのか?」

エミリア
「狂ってるわ。あんた狂ってるわよ。私を犯人にする気ね。
ねえ、誰か違う人を呼んでよ。」

ヒューズ
「お嬢さん、証拠は挙がってるんだ。パトロール隊員を殺してただで済むと思うなよ。」

 

エミリア
「何が始まるの?」

アニー
「所長の道楽だよ。」

エミリア
「‥‥変態なの、あの所長‥‥」

アニー
「はあ?そうじゃないわよ。聞いてれば分かるわ。」

所長
「今日を解放の日とする。あまり、うれしくなさそうだな。
新規の入獄者のために、説明をしよう。常連諸君は退屈だろうが静聴するように。
このディスペアの中心部には解放のルーンが刻まれた巨石がある。
この巨石に触れた者は無条件でここから出ることができる。それがディスペアの決まりだ。
3時間後に5分間だけ、すべての警備体制を停止する。
ぜひ脱走して、解放のルーンを目指してもらいたい。

ただしルールがある。警備員に重傷を負わせたり、
殺したりした者は解放の権利を失いさらに償いをしてもらう。
それ以外は脱走を試みたことによるペナルティーは無い。
では、今回も解放目指して頑張ってくれたまえ。」

エミリア
「変な所ね、脱走を勧めるなんて。でも、なんで皆喜ばないの?」

アニー
「不可能だからよ。今の所長になってから、脱走できたのは一人だけらしいわ。
これは、所長の娯楽なのよ。」

エミリア
「あなたはやらないの?」

アニー
「もちろん、やるわ。」

 

エミリア
「時間だわ‥‥」

アニー
「よう!」
「この人はライザ。一緒に脱走することになったの。」

ライザ
「話は聞いたわ。よろしくね、エミリア。」

エミリア
「は、はい。」

アニー
「行きましょう。」

エミリア
「行きましょうって‥‥」

アニー
「ここに抜け穴があるのよ。」
「さあ、行くわよ。」

エミリア
「で、でもわたし‥‥」

アニー
「パトロール殺しじゃ一生出られないわよ。ここでババアになるつもり?」

 

<ロッカールームに降りたとき>
ライザ
(こっち!!)

 

<獣×2のいる部屋のドア>
ライザ
「開かないわ‥‥ コードが変わってる‥‥」

アニー
「谷間をちょっと見せてやって手に入れた情報じゃ、この程度よね。」

ライザ
「あっちのパイプから入りましょう。ルーファスはあそこから入ったらしいわ。」

エミリア
「ねえ、ルーファスって誰?」

アニー
「そんなの、あとあと。」

 

エミリア
「変な臭いがする‥‥」

アニー
「ライザ、まだ? なんか、イヤな感じがするのよ。」

ライザ
「ずいぶんきつく締め直してあるわ。あと2つ。」

アニー
「何か来るわ。」

エミリアが武器を持っていない場合
アニー
「これ持って。」

エミリア
「これピストルよ! 撃ったことないわ!!」

アニー
「操作は簡単。引き金を引くだけ。」

アニー
「早く、ライザ!」

エミリア
「何よ、あれ!」

アニー
「こんなのいるって聞いてないぞ、ルーファスめ!!」

 

『げっ!逃げた…』

 

ライザ
「あいつが開けてくれたわ。」

アニー
「タッチダウン!」

おめでとう。女性としては初の脱走者だ。
準備の抜かり無さといい、先ほどの戦いぶりといい
私の予想を裏切って楽しませてくれたよ。

 

所長
「では、約束どおり、君たちを解放しよう。」

 

グラディウス 

エミリア
(‥‥私、なんでここにいるんだろう‥‥もう、レンはいないのに‥‥)
「私、どこへ行ったらいいの ‥‥レン‥‥」

「仮面の男!」

ジョーカー
「来い!」

エミリア
「やめて!!」

ルーファス
「パトロールの本拠地に現れるとは大胆な奴だな、ジョーカーよ。」

ジョーカー
「それは御互い様だろう、ルーファス。」
「ひとまず、さらばだ。」

 

エミリア
「ちょっといい感じのお店ね。ごちそうしてくれるの?」

ルーファス
「奥だ。」

エミリア
「倉庫なんかに連れてきてどうするつもり?」

 

アニー
「よお、元気?」

エミリア
「アニー!! どうして、こんな所に?」

ライザ
「やっと着いたのね。」

エミリア
「ライザ‥‥ これ、どういうことなの?あなた達、一体、何者?」

ルーファス
「俺達はグラディウス、裏の組織だ。」

エミリア
「‥‥みんな犯罪者なのね。」

ルーファス
「暗殺はやらないぞ。」

エミリア
「他の事なら何でもやるんでしょう。どうして、こんなのがのさばってるのかしら‥‥」

ルーファス
「パトロールに出来ないことをする組織が必要なのさ。
連中が当てにならないことは経験済みだろう。
まともな手段ではジョーカーを捕えることは出来ない。俺達なら出来る。どうする?」

エミリア
「わたしだって、あの仮面の男、許せないわ。でも、あなた達の狙いは何?
どうして、私につきまとうの。「キューブ」とかいう物のため?」

ルーファス
「正直に話した方が良さそうだな。超古代文明の話は君も良く耳にするだろう。
アトランティスだのシャンバラだの頭のイカれた連中が真剣に話しているのを。
あいつらは実際、何も知っちゃいない。
トリニティがかつて滅んだ文明の遺産を利用していることや、
その文明の本当の遺跡があちこちに残っていることに気付きもしない。」

エミリア
「「キューブ」のことも?」

ルーファス
「そう。「キューブ」の正体ははっきりとは分からない。
ただ、大きなエネルギーを発生するシステムに関係しているらしい。
それをジョーカーが狙っている。奴の手に「キューブ」が渡るのを阻止したい。」

エミリア
「それで、私に接近したわけね。」

ルーファス
「俺たちとジョーカーを追うか?」

エミリア
「少し考えさせて。」

女性
「私は昔、ルーファスに助けてもらったの。
クーロンの裏通りで襲われて、ホントに危なかったのよ。
もうぎりぎりっていうところで、彼が助けてくれたの。
それで気付いたのよ、自分の身は自分で護るしか無いって。」

男性
「きれい事ばかりじゃ生きていけないって。」

エミリア
「アニー、私を騙してたのね。」

アニー
「騙すなんて‥‥結果的にそうね。
いきなりいろんなことを話しても、あんたを混乱させるだけだと思ったのよ。
まず、ディスペアから助け出すのが第一だったから。」

エミリア
「「キューブ」のこと、あなたも知ってるの?」

アニー
「よく知らないわ。そういうことに興味無いし。あたしはお金が欲しいだけよ。
あたしが稼いで弟と妹を養わなきゃいけないの。親いないから。」

エミリア
「大変ね。」

アニー 
「両方とも施設に預けてあるの。妹の方は養子が決まったからいいんだけど、
弟の方は悪ガキで、いつも他人に迷惑ばかり掛けてるんだ。手がかかるよ。」

エミリア 
「だから、かわいいんでしょう?」

アニー 
「まあね。エミリア、あんたとはうまくやれそうだよ。」

 

ライザ
「どうするの?」

エミリア 
「どうするって‥」

ライザ 
「あなたが決めることよ。
ディスペアからの解放を手伝ったことや、
ルーファスがジョーカーからあなたを救ったことは気にしないでいいわ。
こっちも思惑が有ってやったことだから。」

エミリア 
「ルーファスって、どんな人なの?」

ライザ 
「彼はグラディウスの幹部で、クーロン地区の指揮官よ。
タフで、射撃の名手で、頭も切れるわ。
私たちにとっては厳しい指揮官よ。彼のこと、気になるの?」

エミリア
「‥‥」

 

ルーファス
「決めたか?」

さよなら

ルーファス
「そうか、わかった。君はジョーカーに狙われている。気をつけてな。」

 

シップ係官
「どちらまで?」

エミリア
「あの、私‥‥ どこに行ったらいいんでしょう?」

シップ係官
「はあ?」

 

ルーファス
「気が変わったか?」

 

ここに残るわ

ルーファス
「新メンバーを紹介しよう。」

エミリア
「エミリアです。よろしく。」

ルーファス
「君には、まず基礎訓練を受けてもらう。そんな筋肉では仕事はできん。」

エミリア
「ええ〜!訓練なんて、そんな話聞いてないわよ」

ルーファス
「質問しない君が悪い。さあ、さっそく開始だ。アニー、パートナーを頼む。」

アニー
「はい。気楽にやればOKよ、エミリア。」

 

アニー
「この中が射撃訓練場よ。まずはやってみましょう。」

アニー
「好きなときに練習できるから。次は軽〜く実戦練習に行ってみようか!」

エミリア
「もう行くの!!」

アニー
「だって、実戦も何度もやってるじゃないの。行こ行こ。」

 

アニー
「ここから帰るだけよ。大丈夫、あたしがついてるから。」
「一つ言い忘れてたわ。どこかに金袋が落ちてるから、拾っていこうね。」

<シップ発着場で>
アニー
「どこ行くつもり!!」

 

ルーファス
「御苦労アニー。戦力としてのめども立った様だな。次の任務までは自由行動だ。
ただし、任務に支障のない状態を維持するように。
任務はいつ飛び込んでくるかわからんぞ。」

 

ルーファス
「どうした、何か用か?」

エミリア
「いきなり自由行動って言われても、何をすればいいのか‥‥」

ルーファス
「そうだな‥‥ ディスペアを出るときにルーンの石をもらったろう。
あれを集めてみたらどうだ?詳しい話はドゥヴァンに行けば聞ける。」

 

ルーファス
「まだ何かあるのか?」

エミリア
「お金がないのよ。」

ルーファス
「正直だな。これは軍資金だ。」

 

アニーが居ない場合
ライザ
「どう、ケガは無い?」

エミリア
「うん、平気。ねえ、アニーってどんな娘?」

ライザ
「そうね、大ざっぱで開放的に見えるけど、実は正反対なのよ。
小さいころ厳しい環境で育ったからだと思うけど、
自己保存と自己防衛の本能が研ぎ澄まされているの。
おかげで、この仕事向きではあるんだけれど、本当に心を開いてくれることは無いのよ。
私では年が離れ過ぎていて、彼女の心に入り込めない。
エミリアの方が年が近いから、あの娘の力になってあげて。」

エミリア
「うん、やってみる。ライザって優しいのね。」

ライザ
「私が?私は冷たい女って言われてるのよ。」

エミリア
「他の人の言うことは知らないわ。私がそう思ったの。」

>誘う。
エミリア
「自由行動に付き合ってくれない?」

ライザ
「いいわよ。ルーファスからもあなたと一緒にいるように言われてるから。」

 

ライザがいない場合
アニー
「御疲れさん。ルーファスに何か言われた?」

エミリア
「ううん、別に。次の任務まで自由行動だって。ねえ、ライザってどんな人?」

アニー
「「鉄の女」」

エミリア
「えっ?」

アニー
「皆はそう呼ぶよ。頭の回転は速いし、冷静だし、格闘のプロだし、経験長いし、
うちの支部が上手く回ってるのは全部、彼女のおかげよ。
でもね、あたしは知ってるのよ。ライザは意外と抜けたところがあるのよ。」

エミリア
「ふ〜ん、そうなんだ。」

 

ライザがいる場合
アニー
「御疲れさん。ルーファスに何か言われた?」

エミリア
「ううん、別に。次の任務まで自由行動だって。」

>誘う。
エミリア
「ねえ、自由行動にもついて来てよ。」

アニー
「OK、お姉さん。変な顔しないでよ。だって、あたしより年上でしょう?」

 

仮面武闘会 

ルーファス
「シンロウ王国で開かれる仮面武闘会にジョーカーが現れるかもしれん。
誰か、武闘会に参加してくれ。」

エミリア
「ハイハイハイハイ、私が行きます!」

ライザ
「珍しいわね、エミリア。」

エミリア
「だって、舞踏会でしょう?私にぴったりの任務だわ。」

ルーファス
「そうか‥‥もしれんな。」
「よし、決まった。エミリアに行ってもらおう。ライザ、コンビを組め。」

エミリア
「アニーじゃないの?」

ルーファス
「アニーは別働隊を率いてもらう。」

アニー
「分かったわ。」

ルーファス
「よし、行動開始。エミリア、仮面を忘れるな。仮面がないと武闘会には参加できないぞ。」

エミリア
「忘れるもんですか!仮面の王子様が現れたりして!」

 

<シンロウ王宮>

エミリア
「変ね、舞踏会って雰囲気じゃないわ‥‥」

ライザ
「エミリア、これに着替えて。」

エミリア
「え、衣装なら自分で用意してるわよ。」

ライザ
「いいから、これを着て。」

 

エミリア
「何この格好! これじゃ仮装パーティーだわ。」

ライザ
「それでいいのよ、仮面武闘会なんだから。」

エミリア
「仮面を着けて舞い踊る、仮面舞踏会でしょう?」

ライザ
「何言ってんの。仮面を着けて武器で闘う、仮面武闘会に決まってるでしょう」

エミリア
「そんな〜 私をだましたのね。」

ライザ
「自分で志願したのよ。さあ、行って!」

「リングサイドで見てるから。ああ、血が騒ぐわ。」

 

受付
「リングネームは?」

エミリア
「えっ! ‥‥ピンクタイガーよ。」

受付
「ピンクタイガーですね。では、どうぞ。」

 [一回戦!!]
 [二回戦!!]
 [三回戦!!]
 [決勝戦!!]


「見事、見事だぞ!」

 

あれは、ジョーカー!!

王宮から出ようとして
ピンクタイガー
「ジョーカーを追わなきゃ!!」

 

ピンクタイガー
「ジョーカーがいたわ!」

アニー
「エミリア? なに、その格好!!」

ピンクタイガー
「わたしは、ピンクタイガーよ!」

ルーファス
「よし、追うぞ!」

ピンクタイガー
「ジョーカーはどこ!!」

シンロウ王
「その様な招待客がおったかのう?」

 

ゴブリン
「ここは立ち入り禁止だぞ。知らなかったのか?」

ピンクタイガー
「仮面の男が来なかった?」

ゴブリン
「来たよ。」

ピンクタイガー
「どこへ行ったの?」

ゴブリン
「それは教えられないな。奴にお前達を始末してくれと頼まれたんでな。」

 

ピンクタイガー
「ジョーカーめ、次は逃がさないわよ!!」

 

かすかな疑惑 

ルーファス
「エミリア、カジノでパーッと遊んでみたいと思わないか?」

エミリア
「‥‥」

ルーファス
「どうした?」

エミリア
「ルーファスがおいしい話を持ちだすときは、3倍ぐらい裏があるもの。うかつに返事ができないわ。」

ルーファス
「仕方ない。ライザ、アニー頼む。」

ライザ
「どこへ?」

ルーファス
「バカラだ。最近、ジョーカーがよく現れるらしい。」

アニー
「名前からして、ギャンブル好きなんじゃないの?」

ルーファス
「その程度の奴なら、苦労は無いんだが。」

エミリア
「やっぱり私も行くわ。ジョーカーが来るんでしょう?」

ルーファス
「ムチャはするな。特にエミリア、君だ。奴の動き、狙いがつかめればいい。」

 

アニー
「スゴイ熱気ね。みんな目の色が違うわ。」

ライザ
「ギャンブルは人を狂わせる。」

アニー
「流石、ライザ、冷静ね。」

ライザ
「さあ、仕事よ。」

エミリア
「ちょっと、ちょっと。どうして、私だけバニーなの?」

ライザ
「情報収集のためよ。御客さんから色々聞きだしてね。」

エミリア
「そういう問題じゃなくて、」

アニー
「似あってるよエミリア、セクシーダイナマイトね。」

ライザ
「あなた何を着ても似あうわ。さすがモデルね。」

エミリア
「そうかな?いらっしゃいま〜せ〜、ってね。じゃあ、行ってくるわ。」

アニー
「すっかりその気ね。」

ライザ
「なりきっちゃうのがあの子の凄いところよ。」

 

エミリア
(ジョーカー!!)

エミリア
「仮面の男は!」

エレベーターバニー
「駐車場まで行ったけど?」

エミリア
「駐車場まで早く!!」

 

アニー
「チョット待って」
「一人は無茶よ。」

ライザ
「ルーファスを呼ぶ?」

エミリア
「すぐに追いましょう。」

 

ジョーカー
「君たちがカジノで稼いだクレジットを私の金と交換しよう。交換レートは普通の倍だそう。」

エミリア
「そこまでよ、ジョーカー。」

ジョーカー
「君か。君に引き金が引けるかね?」

エミリア
「やれるわ。レンの仇を討つ。その前に、一つ聞かせて。なぜ、レンを殺したの?」

ジョーカー
「ふっ、なぜかな?」

エミリア
「ふざけないで!!」

ジョーカー
「ほら、金だ!!」

ノーム
「金だ金だ!!」「倍って何だ?」

 

<追う場合>

かかったな、巨獣の餌食となれ!!

 

エミリア
「何かしら、あれ。」

エミリア
「これは、私がレンに贈ったものと同じ‥‥どうして‥‥」

ライザ
「同じ型の石を何度か見たことがあるわ。ジョーカーの作戦よ、あなたの動揺を誘おうとしてるのよ。」

アニー
「ジョーカーがあんたの彼氏から盗んだんだよ。取り戻せてよかったね。」

エミリア
(どうしてジョーカーが‥‥)

 

<追わずに洞窟から出た場合>
エミリア
「ジョーカーめ、また逃げたな。」
(でも、気になるモノの言い方だったな。)

 

最低の作戦 

ルーファス
「エミリア、トリニティの基地に潜入して欲しい。」

エミリア
「私一人で?」

ルーファス
「そうだ。基地の司令とジョーカーが接触しているらしい。
ジョーカーめ、トリニティから「キューブ」の情報を得るつもりだ。
君が潜入後、われわれが混乱を引き起こす。その間に司令とジョーカーの繋がりを調べてくれ。」

エミリア
「私だけで、そんな難しい任務がこなせるかしら。」

ルーファス
「君が適任なんだ。その基地の司令、ヤルート執政官は無類の女好きでな。君ならば簡単に彼のハーレムに潜入できる。」

エミリア
「ハーレム!!
何で、私がそんな所に行かなきゃならないの!
いくらジョーカーが絡んでても、そんな任務は御断りよ!」

 

エミリア
「いくらなんでも、あれはヒドイわよ。きれい事を言うつもりはないけど、何で私が適任なのよ。冗談じゃないわ。」

ライザ
「ルーファスはそういうことは考慮に入れてないわ。それに、女のことなんて何にも解っちゃいないのよ。」

エミリア
「ライザ‥‥ルーファスと何かあったの?」

ライザ
「昔の話よ。私が若すぎたの。彼が私のためならすべてを捨ててくれると思い込んでたわ。あのルーファスが女一人のために任務を忘れるなんて事あるわけないのに。」

エミリア
「そばにいるの、辛くない?」

ライザ
「罪の償いよ、若すぎた、バカすぎた私の。それからルーファスへの当て付け。彼には全然効果無いだろうけど。 それに、ちょっとだけ‥‥  「鉄の女」らしくない話をしちゃったな。」

エミリア
「ううん、ライザ。わたし、あなたのことがもっともっと好きになった。」

ライザ
「ありがとう、エミリア。今日はガンガン飲みましょう。」

エミリア
「うん。そのつもりだったんだけど、なんか急に眠くなって‥‥ゴメン‥‥」

 


「今度のは上玉だな。」


「ああ。人間でもこのレベルならヤルート執政官も満足するだろう。」


「最近、妖魔狩りに凝ってるからな。あの人の変態度も上がる一方だぜ。」

 

ライザ
「あれは、あんまりよ。薬で眠らせて、連中に売り払うなんて。」

アニー
「ルーファス!エミリアに何かあったら許さないわよ。」

ルーファス
「命を危険にさらすのは、われわれの任務では当たり前だ。」

アニー
「エミリアは女よ!もし、」

ルーファス
「もし、何だ?」

アニー
「‥‥ライザ、行きましょう。」

ルーファス
「勝手な行動は許さんぞ。」

ライザ
「作戦の準備をするだけです。」

 

エミリア
「ルーファスめ、ここまでやるか?
‥‥ライザもグルかな‥‥
ああ〜やだやだ、考えないことにしよう。それにしても、この格好。ヤルートっていう執政官、相当なスケベね。」

 

出ろ。

 

エミリア
(うわー、悪趣味なところ。あの怪物がトリニティの執政官??)

ヤルート
「いかがですかな、私のコレクションは?」

?(ジョーカー)
「さすがはトリニティの第3執政ヤルート閣下。良い物を飼っておいでです。」

ヤルート
「それでは今日は特別に一匹御持ち帰りになるとよろしい、ジョーカー殿。」

エミリア
(ジョーカー!!)

ヤルート
「ちょうど鮮度の良いのが入荷したようですな。おい、何かやってみせろ。」

エミリア
(まずい、ジョーカーにばれるわ!)

ヤルート
「どうした?早くしないと生皮を剥いで釜ゆでだぞ。」

エミリア
(やっぱり、ヒドイ所だ〜ルーファスめ〜!)
「はい。踊らせていただきます。」

ジョーカー
「見事な舞い。これを頂きたいですな。」

ヤルート
「い、いや。待ってくれ。これはワシも気に入った。なかなか食欲をそそられるぞ。代りにこのファシナトゥールから盗みだしてきた娘でどうだ?妖魔に血を抜かれて体質が変化しているのだ。なかなか興味深いぞ。」

エミリア
(グラディウスだわ!!)

ヤルート
「何事だ!!」

ジョーカー
「トリニティの基地で非常事態とは、世も末ですな。ヤルート閣下の足下も、意外ともろいのかも知れませんな。」

 

エミリア
「停電!」
「ジョーカーがいない!!追わなきゃ。」

 

エミリア
「早く逃げて。」

アセルス
「あなたは逃げないの?」

エミリア
「私はこれから、お仕事。それじゃ。」

 

エミリア
「なんであんなのが基地の中にいるの?!」

アセルス
「ゾズマの仕業だ。あいつ、この基地を大騒ぎにしてやるって言ってたからな。」

エミリア
「ええ〜、グラディウスは関係ないの! もう、ルーファス達、何やってるのかしら。」

アセルス
「ヤルートを捕まえるんでしょう。手伝うよ。あんな奴、許しておけない!」

エミリア
「そうね。私はエミリア。」

アセルス
「私はアセルス。」

白薔薇
「白薔薇です。」

エミリア
「白薔薇‥‥ すごいあだ名ね。」

 

執政官部下?(ゾズマ)
「ヒー、お助け!」

執政官部下?(ゾズマ)
「なんでこんな奴を助けるんだい?君たちも甘いね。」

エミリア
「あなたがゾズマ?」

ゾズマ
「そう。よく知ってるね。」

アセルス
「少しやり過ぎじゃないか?この人はヤルートを追っているんだ迷惑だよ。」

ゾズマ
「君はいつも怒っているんだな。わかった。僕がモンスターを掃除するよ。」

ゾズマ
「人間の手助けをすることになるとはね。」

アセルス
「本当にいい加減な奴だよ。」

 

エミリア
「いない!ドアの前にいたのは時間稼ぎだったんだ!!」

 

エミリア
「‥‥バカヤロー」

 

天使が知るもの

ルーファス
「エミリア、トリニティの基地に潜入して欲しい。」

エミリア
「また?私一人で?」

ルーファス
「そうだ。あの事件で、ヤルートは執政を解任された。新任の第7執政が、基地の司令を引き継いだ。ジョーカーめ、あきらめていないらしい。新司令にも接触しているようだ。どうやら、トリニティが「キューブ」の情報を握っているのは確実らしい。一度潜入している君が適任だ。」

エミリア
「わかりました。」

ルーファス
「簡単に引き受けたな。」

エミリア
「ええ。納得できる理由でしたから。私の能力を信頼して頂いてありがとうございます。」

ルーファス
「そうだ、君に任すぞ。われわれは強行突入の準備をして待機する。」

 

エミリア
「ジョーカーは!」

モンド
「ここにはもうおらんよ。」

エミリア
「どこへ行ったの?」

モンド
「トリニティの執政に対する口の聞き方では無いな。」

エミリア
「じゃあ、あなたが新司令ね。話が早いわ。ジョーカーはどこへ行ったの!」

モンド
「キューブを取りに。」

エミリア
「ジョーカーに情報を売ったのね!その情報、私にも教えなさい。」

モンド
「まあ、待ちたまえ。奴が暗号を解読して目的地へ向かうまで、しばらくかかる。慌てる必要はない。それに、行く先は分かっている。ヨークランドだ。」

エミリア
「ヨークランドに、「キューブ」があるの!」

モンド
「ジョーカーが暗号を解読すると、その場所はヨークランドの山奥の忘れられた礼拝堂だとわかる。」

エミリア
「なぜ、それを教えるの?ワナにはめる気?」

モンド
「そこで、君らグラディウスの手で彼、ジョーカーを始末して欲しい。あの男は「キューブ」に興味を持ち過ぎた」

エミリア
「質問が山ほどあるわ。」

モンド
「その前に、銃を下ろしたまえ。」

エミリア
「1つ目。「キューブ」って何?」

モンド
「それには答えられない。「キューブ」はトリニティにとって最大の秘密の1つだからだ。」

エミリア
「だから、それに近づいたジョーカーを始末するのね。2つ目。ジョーカーって何者?」

モンド
「それは、君の方がよく知っているのではないかね、ミス・エミリア。」

エミリア
「3つ目。今のはどういう意味。どうして私の名前を知ってるの?」

モンド
「質問は一つずつだよ。まあいい。私は執政に昇格する前は、情報・警察部門の責任者でね。グラディウスの情報には詳しいよ」

 

[エネルギー炉が暴走寸前です。退避して下さい。]

 

モンド
「聞いてのとおりだ。脱出したまえ。」

エミリア
「さっきの質問に答えて!」

ルーファス
『エミリア、聞こえるか。エネルギー炉が異常だ。すぐ、脱出しろ。』

モンド
「お仲間出現だね。」

エミリア
「こちらエミリア。了解、すぐに脱出します」

モンド
「ちょっと待ちたまえ。」
「これを君にあげよう。盗聴器などついていないから安心しろ。」

エミリア
「何?この羽のはえた人。」

モンド
「これは私のリージョンの伝説に出てくるんだ。天使という。」

エミリア
「どうしてこれを私に?」

モンド
「昔、まだずっと若かったとき、私も君らのように多くの仲間達と一つの目標を目指して戦っていた
特に仲のいいのが二人いてね、三人でいつもつるんでいたものだ
三人には憧れの人がいた。清らかな人だった。その人に贈るつもりで、持っていたのだ。」

エミリア
「どうして、渡さなかったの?」

モンド
「彼女が三人組の一人と結婚したからだ。私はその男を尊敬していた。だから、渡せなかった。だが、この天使は私に強運を授けてくれたようだ。こうしてトリニティの執政にまで登り詰めた。君が受け取ってくれ。 」

エミリア
「いいの?そんな大事なものを。」

モンド
「ああ。やはり、君のような人が持っているほうが似合うだろう?」

エミリア
「ありがとう。この‥‥」

モンド
「天使だ。」

エミリア
「天使のブローチ、大事にするわ。」

 

エミリア
「あなた、名前を聞いてないわ。」

モンド
「」

エミリア
「聞こえない!!」

 

エミリア
「ルーファス! アニー! ライザ!!」

ルーファス
「今度はちゃんと迎えに来たぞ。」

エミリア
「ジョーカーはヨークランドに現れるわ。行きましょう。」

アニー
「あんたばっかり危ない目に遭わせているみたい。」

エミリア
「私は大丈夫よ、アニー。」

ライザ
「それ、天使ね。」

エミリア
「知ってるの?ライザ。」

ライザ
「ヨークランドの伝説に出てくるの。」

エミリア
「ルーファス、あの執政の名前は?」

ルーファス
「モンド。ヤルートの直属の部下でトリニティの情報・警察部門の実質的な責任者だった。
冷酷無情、カミソリのように切れる男だ。手強い相手だったよ。
執政に昇格してくれてホッとしている。」

エミリア
「そう‥‥」

 

救いは御名の下に 

ライザ
「とうとうジョーカーを追い詰めたわね。」

ルーファス
「準備はできたか?」

「よし、今回は総力戦だ。出発するぞ!」

 

エミリア
(いい眺め‥‥晴れた空‥‥ジョーカーの事なんか忘れてしまいそう‥‥)

 

エミリア
(レン‥‥私たち小さな礼拝堂で式を挙げようって言ったよね‥‥)

ライザ
「エミリア、またレンさんのことを思いだしてるのね。」

アニー
「ドレス、持ってきてるんでしょう?いつも、持ってるものね。」

エミリア
「うん‥‥」

アニー
「着ちゃいなよ。ちょっとボロい所だけど、それで式を挙げて、もう忘れよう」

エミリア
「アニー‥‥」

ルーファス
「何を馬鹿な話をしているんだ。ジョーカーを迎え撃つ準備だ。」

ライザ
「馬鹿な話? 大事なことよ。あなたには一生、分からないことでしょうけれど。やりましょう、エミリア」

アニー
「あの裏で着替えちゃおう。」

ルーファス
(緊張感が切れている。今、来られるとまずいな。)

 

ライザ
「キレイだわ、エミリア」

ルーファス
「‥‥」

エミリア
「みんな気を付けて!上から何か来るわ!!」

 

エンディングA

エミリア
「みんな、返事して‥‥」
「ジョーカー‥‥近寄ると撃つわよ」

ジョーカー
「君に撃てるかな?この体が、君のフィアンセの物だとしても?」

エミリア
「どういう意味!」

レン
「エミリア、撃て!仮面を破壊しろ!!」

エミリア
「その声は、レン!!本当にあなたなの?!」

ジョーカー
「さあ、君がモンドから得た情報を教えてもらおう。それに何かもらったはずだ。それも頂こう。」

エミリア
「情報なんか何も無いわ。もらったのはただのお守りよ!」

ジョーカー
「それなら、それでもいい。君は死ぬだけだ。」

レン
「やめろ、ジョーカー!エミリアには手を‥‥
‥‥出す‥‥」

ジョーカー
「単なるボディのくせに私に逆らう気か?」

レン
「エミリア‥‥
  ‥‥早く‥‥仮面を‥‥」

エミリア
「‥‥レン‥‥」
「‥‥レン!!」
「レン!!」

 

The End

 

エンディングB

エミリア
「みんな、返事して‥‥」
「ジョーカー‥‥」

ジョーカー
「君には撃てないよ、エミリア。」

エミリア
「来ないで‥‥」

ジョーカー
「邪魔な連中は、瓦礫の下だ。二人で「キューブ」の力を使って、すべてを手に入れよう。」

エミリア
「誰が、あなたなんかと‥‥」

ジョーカー
「分かってるだろう、僕の正体‥‥」

エミリア
「やめて、来ないで。」

ジョーカー
「おいで、エミリア。」

エミリア
「‥‥許さない!」

 

エミリア
「アニー、ライザ、ルーファス!よかった、無事だったのね。」

アニー
「もちろんよ。」

ライザ
「エミリア‥‥ あなたは‥‥」

エミリア
「わたし、何のために今まで戦ってきたのかしら。何も知らずにいれば、ただの不幸な女でいられたのに。」

ルーファス
「仕方あるまい。未来を予測できる者などいないのだから。いずれにしても、後悔することに変わりはない。」

エミリア
「ルーファス、慰めになってないわよ。」

ルーファス
「すまん。」

エミリア
「ルーファスが謝るなんて‥‥ 私、そんなに落ち込んで見える?ひどい感じ?」

エミリア
「アニー、私、少し泣く‥‥」

 

エミリア
「大丈夫。泣いて、すっきりしたわ。さあ、ルーファス、次の任務は?」

ルーファス
「もういい。お前の顔はもう戦えない顔だ。」

エミリア
「ルーファス‥‥」

ライザ
「これ以上、何かを背負う必要はないわ。」

エミリア
「ライザ‥‥」

アニー
「こんなときに変な言い方だけど、楽しかったよ、エミリア。」

エミリア
「アニー‥‥
ありがとう、みんな。みんなのこと忘れないから」

ルーファス
「忘れていい。いや、忘れろ。君はグラディウスにいたこともないし、そんな組織のことは知らない
これは命令だ。」

エミリア
「最後の命令ね。わかったわ。」

 

アニー
「振り向かなかったわね、エミリア。」

ライザ
「強くなったわ。」

ルーファス
「あれでいい。行くぞ。」

 

The End
 

 


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