魔界塔士SaGaとは何なのか

 

世界の真ん中に立つ塔は
楽園に通じているという

遥かな楽園を夢見て
多くの者たちが
この塔の秘密に挑んで行った
だが 彼らの運命を
知るものはいない

そして今 またひとり・・・


魔界塔士サガは、1989年にゲームボーイで発売されたRPGで、
ゲームボーイ初のRPGであり、スクウェアのGB参入初のソフトです

魔界塔士サガの魅力は、斬新なキャラ成長システムにあります
キャラクターは「にんげん」「エスパー」「モンスター」の三種に分けられ、それぞれ成長方法が異なっています
このシステムは、後に改良されてサガフロンティアに登場しています
当時のRPGは経験値を貯めてレベルアップというのが常識で、
敵が強くて行き詰まったときなどは、地道に敵と戦いレベル上げていかなければならず
時としてその単純作業は苦痛でもあったのです
魔界塔士サガは成長システムに変化をつけることによって
キャラを成長させる楽しみをもたらしたのです

魔界塔士サガはその世界観においても特異な存在です
当時のRPGといえば剣と魔法で戦うというのが常識でした
当然、魔界塔士サガにもロングソードやレイピアといった普通の武器はありますが
パンチ(武器です)、デリンジャー、いわ、ミサイル ・・・これはまだ常識範囲として
「はどうほう」「かくばくだん」という常識はずれの物もあり、非常にバラエティに富んでます
また、魔界塔士サガは大きく分けて四つの世界があり
そのうちのひとつはバイクで移動したり、ビルが建っていたりします
今でこそ、このような現代風の世界観はありふれたものとなっていますが
当時としては斬新なものだったのです

良い意味で魔界塔士サガはRPGの常識から離れた内容でした
サガシリーズの原点というべきこの作品は、10年前に発売されたにもかかわらず
今でも根強いファンがおり、その魅力を失っていません

キーワード

お肉システム

魔界塔士サガでは「にんげん」「エスパー」「モンスター」の三つの種族がいます
にんげんは店で売っている「ちからのもと」や「すばやさのもと」などを使って
パラメーターを上昇させます
エスパーは戦闘終了後ランダムでパラメーターが上昇し、
「ファイア」や「かげぶんしん」などの能力を入手します
そしてモンスターは戦闘終了後、敵の肉を食べて新しいモンスターに変身します
強いモンスターの肉を食べれば強くなりますが、逆に弱くなることもあり
肉を食べるたびにドキドキ感を味わうことになります
この肉システムこそ魔界塔士サガの醍醐味といっても過言ではないでしょう

チェーンソー

魔界塔士サガにおける最強の武器はと聞いたら、ほとんどの人がこの武器を挙げるでしょう
即死効果を持つこの武器、なんとラスボスにも効いてしまうのです
完全なバグでしょうが、バグで遊べるのもサガシリーズの魅力です
チェーンソーでバラバラにされるラスボス・・・
しかし、このボスはまともに戦うとかなり強いのです
チェーンソーの裏技など、普通にやっていれば誰も気がつかないのですから
正面から堂々と戦うことになります
ところがラスボスはそんなパーティーをあざ笑うがごとく、極悪な攻撃をどんどんしかけてきます
強力な全体攻撃はもちろん、全員に混乱効果、固い防御
そして・・・ 戦いが長引き一定ターンが経過すると
「○○はHPがかいふくした」と表示が出て、HP全回復してしまうのです(涙)
攻撃と回復のバランスをよく考えないと倒せません
しかし、それ以上に恐ろしいのが、このラスボスのフロアへ行くと後戻り不可という事実です
特定のアイテムを持っていけば町に戻ることは出来るのですが
持って行くのを忘れてセーブしてしまうと、ボスに勝てなかった場合ハマリとなるのです
僕はこれで、始めからやり直したことがあります
まさにラスボスが強いというサガシリーズの原点というべきですね

かくばくだん

とんでもない名前の武器ですが、実はこのアイテムを手に入れるイベントが衝撃的なのです
魔界塔士サガは他のサガシリーズと比べるとシリアスな雰囲気が漂っています
そうかといえば、ファイナルファンタジーのような暗さがあるわけではありません
前述のかくばくだんイベントはネタバレのためここで詳しく述べることはできないのが残念ですが
無力感、やるせなさ、悲しみを受けたのを覚えています
わずか数行のテキストでこれだけの衝撃を受けたのはこれが初めてでした
今のゲームのように、美麗なグラフィクや派手な効果音を使わずに
ここまでの感動を与えるのは素晴らしいです
随所にみられる絶妙なセリフ回し、これは次回作の秘宝伝説やロマサガ、サガフロにもないものです

 


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