1.はじめに
裏解体真書には黒曜石の剣や鉄下駄などのアイテムは非常に重いと設定されているために、
それらのアイテムを装備すると投げ技をくらいにくくなったり、行動速度が微妙に変わると書かれています。
しかし、実際にはすべての武器・防具に重量が設定されていて、黒曜石の剣や鉄下駄などはこの値が高いのです。
今回はこの重量を測定します。
また、ここではランダム変動をもつ技のダメージは特に断りがなければ複数回測定した内の最小値を示します。
2.重量測定法
重量は投げ技をくらう確率やそのダメージなどに影響しますが、その影響量は少ないために重量を正確に測定するのは困難です。
しかし、重量は投げ技だけでなく火炎や冷気などのブレス攻撃の威力にも関係しています。
さらに妖魔武具憑依能力の火炎や冷気は間合いやランダムによるダメージの変動が全くないために重量の影響が小さくても正確に測定することができます。
そこで測定したい武器や防具を装備したときと無装備のときの火炎や冷気のダメージを比べることによって重量を測定します。
メサルティムなどの妖魔が火炎や冷気を使ったときはランダム変動は全くありませんが、半妖のアセルスが火炎や冷気を使うとなぜかランダム変動がわずかにありました。
メサルティムなどの妖魔は固定装備があるので測定には適していませんが、ランダム変動があるよりは測定しやすいので妖魔を使います。
またメロウリングなどの固有装備については後述します。
ブレスのダメージには重量の他にHPやVITにも依存します。
武器・防具の重量を正確に測定するには装備武具によるVITの上昇を無効にするために無装備でVIT99のキャラを使わなければなりません。
しかしメサルティムの妖魔武具に剣:朱雀、小手:雪の精、具足:雪の精を憑依させてもVITは91です。他の妖魔でもVITは99になりません。
雪の精よりもVITの上昇値が高い敵はいますが、憑依が楽ではありません。
そこでサイコアーマーを使ってVITを上げてVIT99でのブレスのダメージを測定します。
上記のメサルティムをサイコアーマーでVIT99にしてシンロウのガイアトードに火炎を使うと、
メロウリングのみ装備で859、ボーイーナイフの追加装備で866、ブロードソードなら878とダメージが増えます。
これらのダメージを小さい順に並べると、次のようになります。
859、866、872、878、886、・・・
ダメージ増加量に直すと次のようになります。
0、7、13、19、27、・・・
以上より、重量に比例してダメージが増えていることがわかります。
このダメージ増加量を簡単な整数比に直すと次のようになります。
0、1、2、3、4、・・・
このように得た数値を重量とみなします。
そうするとボーイーナイフの重量は1、ブロードソードの重量は3となります。
他の武器・防具でも同様に重量を算出します。
特殊例および重量の影響
重量が戦闘にどのような影響を与えるかなどを調べました。他にも重量が関与することはあるかもしれません。
例1 固有装備の重量
上記の測定方法では固定装備の重量は分かりません。
しかし、メサルティムとヌサカーンはHPとVITを揃えて同じものを追加装備すればダメージは同じになります。
つまり、次のことがいえます。
無装備メサルティムの重量+メロウリングの重量
=無装備ヌサカーンの重量+妖魔の白衣の重量
また、すべての服と多くのアクセサリーの重量は0です。また防御力は無装備状態で0です。
よって無装備状態では重量も0であり、妖魔の白衣とメロウリングの重量はともに0とみなしても良さそうです。
妖魔の鎧も同様にヌサカーンやメサルティムと比較して重量を算出します。
ただし、メカのボディパーツやモンスター専用防具などは今回の調査方法では重量は分かりません。(汗)
例2 ブレスのダメージ
ブレスのダメージに関しては前述したとおり重量が影響します。
しかし、重い武器・防具をたくさん装備すればその分だけブレスの威力は増すとは限りません。
妖魔の白衣+鉄下駄(重量50)+グリランドリー(重量42)+ツインソード(重量7)の装備と
妖魔の白衣+鉄下駄(重量50)+超銅金アームレット(重量20)+ゼロソード×2(重量20×2)の装備でブレスのダメージが同じでした。よって、次のことがいえます。
- ブレスのダメージ算出の際に重量が99を越えるときは99に修正される
属性防御が0〜99に修正されるのと同様に重量も0〜99に修正されるようです。
このことから例1で無装備のキャラ、メロウリング、妖魔の白衣の重量を0とみなしていたことが正しいことになります。
また重量比でしか算出できなかった値がそのまま重量の値であることにもなります。
ちなみにHPが低く、VITも低い妖魔にブレスを使わせてみるとHP999、VIT99の妖魔とほぼ同じだけ重量によるダメージ上昇がありました。
つまり能力値とは関係なくブレスの威力が上昇するようです。
よってHPやVITの違うキャラでもダメージ上昇の比較はできることになります。
また敵の中には雪の精、朱雀、地獄の君主など鉄下駄や超銅金防具など似合わない(笑)防具を装備しているものもいます。
それらの敵は火炎や冷気などのブレスダメージを調整するために重い防具を装備しているものと思われます。
例3 投げ技をくらうときのダメージと回避率
重い武器・防具を装備すると投げ技をくらう確率が減ると言われています。
開発2部の仮面の魔神は2ターン目にかならず雷炎パワーボムを使ってくるので、能力値Maxのキャラがどの程度ダメージを受けるか測定しました。
ただし雷炎パワーボムは打撃属性であるため打撃防御が高いほどダメージを軽減します。
よって打撃防御と重量を変えてダメージを測定しました。
|
打撃防御 3 |
打撃防御56 |
重量 6 |
1072 |
472 |
重量 99 |
1268 |
565 |
重量164 |
1267 |
|
重量238 |
|
565 |
重量が99より高くても重量99のときとダメージが同じであるため次のことがいえます。
- 投げ技をくらうときに重量が99を越えていると99に修正される
これは例2でも述べたとおり重量は属性防御と同じく0〜99に修正されることになります。
また重量によるダメージ増加量は攻撃力ではなく攻撃力からVITや打撃防御によるダメージ軽減を引いた値に比例するようです。
ダメージとともにくらった回数も測定しました。打撃防御は56のときのものです。
|
ミス |
ヒット |
重量 6 |
0回 |
100回 |
重量238 |
17回 |
83回 |
重量が小さいときは全くミスしませんでしたが、重量を増やすとミスするようになります。
このように重量を増やすと投げられにくくなる代わりに投げられたときのダメージが増えます。
例4 行動速度
戦闘中の行動速度には主にQUIが関係します。ここでは重量が行動速度に影響するかどうか調べます。
クラーケンは1ターン目に必ずメイルシュトロームを使ってきます。
よって同一間合いにおいてクラーケンにQUI58の時の君の重量を変えて時間触で攻撃したときの先制率を測定します。
|
先攻 |
後攻 |
重量 10 |
114回 |
86回 |
重量150 |
109回 |
91回 |
重量を増やすと先攻を取った回数がわずかに減りましたが、これは誤差の範囲内でしょう。
よって重量は行動速度にはおそらく影響はないようです。
ちなみにロマサガ2、3では重量が直接素早さに影響するために重い武具を装備すると行動速度も遅くなります。
例5 体術で与えるダメージ
体術にはSTRだけでなくQUIもダメージに影響します。ここでは重量が体術ダメージに影響するかどうか調べます。
オウミのデビルテンタクラーに能力値Maxのキャラがパンチをしてどれだけダメージを与えるか測定します。
味方の攻撃はランダム変動が大きいので50回測定した中で最大値、最小値、平均値を示します。
|
最大値 |
最小値 |
平均値 |
重量 9 |
956 |
882 |
919.5 |
重量209 |
955 |
882 |
914.1 |
違いがほとんど見られなかったので重量を増やしても体術のダメージは変化しないようです。
ちなみにロマサガ2、3では重量が直接素早さに影響するために重い武器・防具を装備すると体術で与えるダメージは減少します。
例6 命中率、回避率、盾回避率
攻撃の命中率には主に能力値が関係します。ここでは装備重量が命中率に影響するかどうか調べました。STR28のキャラが同一間合いで朱雀にアグニSSP(重量3)の早撃ち十字砲火で何発ヒットするか測定します。
|
5発 |
4発 |
3発 |
2発 |
1発 |
0発 |
重量 3 |
60回 |
83回 |
42回 |
14回 |
1回 |
0回 |
重量103 |
42回 |
72回 |
65回 |
18回 |
3回 |
0回 |
十字砲火の1発ずつが同じ命中率であると仮定すると次のように命中率を表すことができます。
|
ミス |
ヒット |
重量 3 |
787回 |
213回 |
重量103 |
732回 |
268回 |
重量を増やすと命中率が5%ほど下がりましたが、誤差の範囲内ともいえます。
命中率に影響があるとしても実感できないでしょう。
重量よりも能力値は技の種類の方が重要です。
また重量103のときにベヒーモス(重量40)で早撃ち十字砲火を使うと50回すべて全段ヒットしました。
このことから攻撃に使用する武器そのものの重量も影響しないことになります。
ベヒーモスの方が命中率が高いのは武器そのものの命中率のためと思われます。
敵の攻撃は能力値が高いほどよく回避します。
投げ技以外の技の回避率にも重量が影響するかどうか調べました。
また盾による回避率についても同時に調べました。
能力値Maxのキャラの重量を変えて、エクセルガードでデュラハンのランスをくらうかどうかを測定します。
|
ミス |
ヒット |
盾回避 |
重量 8 |
132回 |
168回 |
200回 |
重量 48 |
114回 |
156回 |
230回 |
重量196 |
112回 |
147回 |
241回 |
攻撃の当たり判定は盾回避のほうがミスよりも先に行われるため、
上記の測定回数からミスした時とヒットしたときを比べれば回避率の影響がわかります。
ただし盾回避しなかったときの回数が違うので確率で示します。
|
ミス |
ヒット |
重量 8 |
44.0% |
56.0% |
重量 48 |
42.2% |
57.8% |
重量196 |
43.2% |
56.8% |
回避率に関しては重量による違いがほとんどないので影響ないでしょう。
しかし盾回避率については違いがありました。
16番目のスライム殿の調査では次のようになりました。ご協力ありがとうございます。
|
ミス |
ヒット |
盾回避 |
重量 2 |
191回 |
350回 |
459回 |
重量196 |
193回 |
365回 |
442回 |
同様に回避率を示すと次のようになります。
|
ミス |
ヒット |
重量 2 |
35.3% |
64.7% |
重量196 |
34.6% |
65.4% |
回避率、盾回避率ともに重量による違いはありませんでした。
先の調査で盾回避率に違いが出たのは試行回数が少なかったからでしょう。
よって重量による回避率、盾回避率に重量の影響はないと思われます。
ちなみにロマサガ1では重量の分だけ回避率が下がり、盾を装備すると回避率が上がります。
各装備武具の重量
例2の測定法を用いて算出した各装備武具の重量を示します。
→ 装備武具の重量
|